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2016-03-29

I’m woman. FAM-VERCE 2008.6月号

ウーマン06

紫陽花心

 

女は 導かれた

男たちの土壌で花となる。

 

躯を業火とさせ 心を焦がし

紡がれた男の指先が 女に乞えを捧げ、

そうして烈烈に応えることを知る。

 

男たちは 艶めく女の肌を見届け、

無心に貪り その身を懐に委ねながら、

やがて歓喜の息を吐く。

 

女は 小さな蕾が開花された、

その瞬間から色めいて

刹那に散るまで、移り込んでゆく。

 

きっと女は知っているのだろう。

 

赤らむ肌に染め上げられた その巡りの儚さを。

 

そうして記憶にある あの瞬間を

この身に もう一度灯火として宿して

今宵もまた、雨に打たれてゆくのだ。

 


 

※紫陽花の花言葉のなかに“移り気”とあります。それは散ってゆくまで、染め上げられてゆく女性のせつなくも、深い心模様に似ているのかも知れません。

 

constitution / 鏡花 illustration / kikue FAM-VERCE 2008.6月号 I’m woman

 

福井のフリーペーパー「fam」で、掲載している「I’m woman」という記事コーナーのイラスト制作やデザインをさせていただいております。鏡花さんの文章は、毎月艶やかで、女心の深い部分をつく、深い詩で、密かなファンが多数存在するとか…。ぜひ、女性の方に読んでいただきたいです。

 


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