霧雨夢路
しっとり降る霧雨は
ただ静かに 女の躯をつつみこむ
それは しとやかでもありながら
女の花冷えを蘇らせて
時に 哀感を素肌へと落とし込む
その一瞬の寂しさが
雫となって 頬を伝い
未来への不安を募らせ、
遠くの景色に自ら彷徨ってしまう
それでもいつの日か
その夢現が
女の本能で 心地いいことを知ってゆく
不変に流れゆく 心模様を
黙して 抱擁する霧雨に
優しさを感じながら ただ打たれることを願う
やがて女は ゆっくり目を閉じ
空へと手を伸ばす
constitution / 鏡花 illustration / kikue FAM-VERCE 2009.6月号 I’m woman
福井のフリーペーパー「fam」で、掲載している「I’m woman」という記事コーナーのイラスト制作やデザインをさせていただいております。鏡花さんの文章は、毎月艶やかで、女心の深い部分をつく、深い詩で、密かなファンが多数存在するとか…。ぜひ、女性の方に読んでいただきたいです。
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